

学校長挨拶(学校だより最新号より)

運動会は無事に終了しましたが、今週末にはマラソン大会がひかえています。ドーハにおいて、運動に適した時期は短いため、子どもたちにはこの時期に屋外でのたくさんの運動に親しんでほしいと思っています。私自身はというと、子どものころから「走る」ことそのものがどうしても好きになれず、自分から苦手だと思い込んでいました。ただ、そこにボールが入ってくると、走ることは嫌だと感じることはなく、逆に必死にボールを追いかけていたことを思い出します。結局、心もち次第で好き嫌いが生まれるのであり、運動すること自体は皆好きなのだろうな、と成長してから感じたものです。教員となり、子どもたちに陸上競技を指導する立場になり、これまで知らなかった陸上競技の魅力を学ぶことになりました。陸上競技において重要なのは、他との比較ではなく、自分の今もっている力の伸びを感得しながら進めていくことだということです。
陸上競技は、 「トラック」「フィールド」「ロード」と3つに分けられています。1000分の1秒を競う戦いが繰り広げられる トラック は、短距離、中距離、長距離、ハードル、リレーに分けられています。 フィールド は、跳躍と投てきの2つに分けられます。 ロードは道路競争のことですが、マラソンと競歩の2種目で成り立っています。競技であるがゆえに、タイムや距離を伸ばしていくことに重点がおかれます。それを実現するためには、ただがむしゃらに練習していてもなかなか良い結果は得られません。体育科の陸上を専門とする先輩から「陸上競技は科学」という言葉を聞きました。例えば走法一つとってもピッチ走法とストライド走法があり、個人の能力や体格、その時代の流行によって選択され、その指導方法も変わってきます。様々な理論に則った練習を行い、実際に記録を伸ばすことができた時の喜びや充実感が陸上競技の楽しみに繋がると考えています。ただこれはあくまで陸上競技としての捉えであり、今子どもたちが取り組んでいる「マラソン※持久走」とは少し趣が異なります。今行っている持久走も自分の記録に挑戦するということに関しては同じですが、記録向上のみに重点を置くのではなく、互いに声を掛け合い励まし合って自分の記録に挑戦していくという心の成長を第一に考えています。自分なりに走り方を工夫したり、苦しい時にももうひと頑張りしたりする中で、「走る」ことの楽しさを感じ取ってくれることが、大きな目標です。
個人競技ではあっても、みんなで関わり合いながら努力し、また素晴らしい笑顔で大会が終えられるよう、教員一同、応援していきます。皆さんのベスト パフォーマンス、期待しています。
令和7年2月3日
校長 橋本 匠司