学校長挨拶(学校だより最新号より)
10月に入り、そろそろカタールの暑さも徐々に緩んでくるかと期待していたのですが、日中は相変わらず強い日差しが照り付け、秋を感じられるのは今月末頃かなと感じています。そんな中、ドーハ日本人学校に2人の新しい友達を迎えることができました。子どもたちも、新たな出会いにワクワク感をもち、それぞれが積極的に2人に関わろうという姿が見られ、とても微笑ましく思っています。
子どもたちには折につけ、出会いと別れ、そこから生まれてくる縁の大切さを伝えています。いかに多くの人と関わることができるか、そしてそこから学ぶことができるのかということは、人生に中においても大きな財産になることと考えます。私は教師として40年以上多くの子どもたちと接してきました。その中には、様々な面で優秀な子、個性的で魅力的な子、努力家であきらめない子、恥ずかしがり屋だけどとても優しい子、・・・ いろいろな子どもたちがいました。もちろん、少々手のかかる子も沢山接してきました(笑)。ただ、どんな子でも、それぞれが私に思いを伝えてくれたり、行動で表現してくれたりする度に、その子の思いを受け止めようと努力してきました。子どもたちの思いは素直であり、大人には考えつかないような広がりをもっています。そのため「ああ、そうだったのか」と教えられることが毎日のようにありました。今の自分が在るのは、これまで時間を共に過ごした全ての子どもたちのおかげだと思っています。幸い、今でも教え子たちに声をかけられ再会する機会も多くあり、当時に戻って話をしている時には、本当に教師になってよかったと感じています。
人との関わりが苦手だという成人が増えてきているということは、ここ数年伝えられていることです。確かに人と関わるには、自ら能動的にならなければならない場面もあります。しかしながら、そのひと手間をすることにより、人生が大きく変わっていくこともあります。ドーハ日本人学校の子どもたちには、これからも人との関わり、縁を大切にしながら、健やかに成長していってほしいと心から願っています。
令和6年10月8日
校長 橋本 匠司